板宿こども論語塾  毎月第2日曜日午前9時から30分間

第62回(平成29年2月12日)

 今日の論語は少し長文です。
 『樊遅(はんち)知を問う。子曰(のたまわ)く、民の義を務(つと)め、鬼神(きしん)を敬(けい)して之を遠ざく、知と謂うべし。仁を問う。子曰く、仁者は難(かた)きを先にして獲(う)ることを後(あと)にす、仁と謂うべし。』

  弟子の樊遅(はんち)さんが先生に質問をします。「知者って、どんな人ですか?」
  「一人の人として正しいことを行い、神様を敬うが、頼らない、自分で考え行動する人だ!」と先生は答えられました。
  「それでは、仁者はどんな人ですか?」
  「難しいこと、やっかいなことを先にして、利を得るのは後にする人が仁者だよ。」とお話された。
    
  仁者について、子どもたちに質問しました。「学校から帰って、宿題や復習をしてから遊ぶか?それともランドセルを置いて遊ぶことを先にするか?」「陽の明るいうちは外で遊ぶのは当たり前!」という答えが返ってきました。
  「それでは、電車を待っていた時に、老人の人が誤ってホームに落ちました。電車が近づいてきます。あなたならどうしますか?」仁者なら先にするということは大人でも難しい。これは考えさせられますね。

第61回(平成29年1月8日)

 今日の論語はまずは一つ目。
 『子日く、衆(しゅう)これを悪(にく)むも必ず察し、衆これを好むも必ず察す。』
  大勢の人が悪く言うことも本当にそうなのか自分で調べて判断し、良いというものもそうすべきである。流されるのはよくないということ。

  もう一つは
 『子曰く、君子は貞(てい)にして諒(りょう)ならず。』
  君子は正しいことに関しては迷わない。しかし、生真面目すぎてはいない。何事も行き過ぎはダメよ!

第60回(平成28年12月11日)

 まず、最初の論語は
 『曾子曰く、夫子(ふうし)の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ。」
 この論語には前段がありますが、孔先生が言われた、「私の道は一つの原理で貫かれているんだよ。」の意味を、弟子の曾子が解説しています。「忠恕」、つまり、真心と思いやりを最善に考え行動してきたと述べています。

 もう一つは、                     
 『厩(うまや)焚(や)けたり、子(し)朝(ちょう)より退(しりぞ)きて曰(のたまわ)く、人を傷(そこ)なえりやと、馬を問わず。」
  落語好きの方は聴いたことがあるでしょうが、「厩火事」の原典です。馬好きの孔子先生が役所に仕事に行っているときに、先生の馬小屋が火事になった。慌てて帰ってきた孔先生が訊いたのは、馬のことではなく、弟子たちの安否でした。「一期一会」を考えると、自分の関わる人に思いやりの気持ちを持つ、孔先生のエピソードですね。子どもたちには、自分の家が火事だったら、何を一番に心配するか?と考えてもらいました。ゲーム機?いえいえ家族ですよね。

第59回(平成28年11月13日)

今日の論語、最初は
 『子曰く、人の己を知らざるを患えず、己の能なきを患えよ。』(子曰、不患人之不己知、患己無能也。)
  外部の声に惑わされず、己の力を養え!

 

 もう一つは、
 『子曰く、賢を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる。』 (子曰、見賢思斉焉、見不賢而内自省也。)
 自らが仁ある人かどうか、常に省みることを忘れてはなりません。

 

 最後に、井戸書店のスタッフ・海津くんが10月21日に結婚したことを論語塾生がお祝いしてくれました。塾生の思いのこもった色紙をプレゼント!海津くんは涙ちょちょぎれでした。